滋賀で天然素材の麻を取扱う近江上布伝統産業会館さんのオリジナルブランドが
GOOD DESIGN AWARD 2023 に受賞されました。
インテリアナガオカのエアピュリックを施した麻のカーテンが評価されました。
【受賞対象の詳細】
スローライフを実現していきたいニーズに応えるための天然繊維「麻のカーテン」。麻の優しく軽やかな風合い、そして伝統工芸「近江上布」に裏打ちされた信頼感のある製品です。大切な自分の生活に優しい彩りと豊かさを添えられます。
【デザインのポイント】
伝統工芸「近江上布」の誇る技術を用いた、日常生活に取り入れられるそして信頼される麻製品の拡大。
糸の染めについては伝統技術を用いた手染めと機械染めとの併用。生地の風合いを活かす「近江ちぢみ」の活用
伝統色からインスピレーションした色を用い、伝統に裏付けられた「近江上布」のオリジナル性のあるデザイン
【背景】
「近江上布」は昭和５２年に国の伝統的工芸品の指定を受けており、主な製品は着物・帯が主流である。ただ、着物の需要が低下しているのが現状である。時代ととも変化している消費者ニーズに応える製品開発とともに伝統技術の継承も必要である。伝統に裏付けられた現代に合う製品開発をすることで、新たな市場開拓とともに日本の伝統を知るきっかけとなる提案をしたいと考える。当組合もSDGs宣言をしており、約600年続く地域固有の産業として責任や誇りを胸に、伝統工芸の継承、地場産業の振興を通じて持続可能な社会へ貢献していきたい思いがある。
【経緯とその成果】
近江上布特有と言われる染色技術の絣や、縞・格子で現代生活にも取り入れられる柄と色を表現。伝統という軸をしっかり持ったオリジナル性と、和洋で対応できる柔軟な色と柄、そして麻という天然素材の良さそのものを活かした風合いを尊重した生地をデザインすることに重点を置いている。そこで今のインテリアにも自然と馴染むようなカーテンを制作。さらにカーテンに（有）インテリアナガオカ独自で開発した「エアピュリック」加工をすることで空気清浄を行うことができる。 これは光触媒で室内の空気清浄を行うことができる。自ら清浄するために洗濯をしなくても清潔なカーテンを保てる。洗濯不要であれば、忙しい現代人にとってメリットのある製品である、これは洗濯の回数を減らす機会であり、ひいては水・洗剤・電気の節約にもなる。 生活環境も良くなり快適な日常生活を送る手段の１つとなりえる。
【評価コメント】
近代化以降の大量生産品により伝統工芸の需要が少なくなる中、その担い手や技術が衰退している現在において、協同組合というかたちをとって関係者が協力して製品開発と伝統工芸の普及を行っている点が評価できる。滋賀県は琵琶湖を中心にしてそれぞれの場所に固有の文化や暮らしがあり、縄文時代より素晴らしい資源に恵まれた場所でありとても魅力がある。まずは滋賀県においてこの近江上布のカーテンを普及させることで地域固有の窓辺の風景をつくり出しその地域性が家並みから感じ取れると素晴らしいと思った。